漫画・小説・演劇・ドラマ、ジャンルも媒体も男も女も関係なく、腐った可愛そうな頭の人間が雑多に書き散らすネタ帳です。 ていうかあれだ。サイトに載せる前の繋ぎみたいな。
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忍者@【サクラ誕】偶さか酔宵
三十路過ぎたら、今手に入らないものが手に入ったりするのだろうか。
「二十九と三十には恐ろしい隔たりがあるのよね……」
元七班スリーマンセルのうち一番最後に歳を食うサクラは、一足先に三十路におなり遊ばせたサスケとナルトを交互に見やり、溜めた息をそれはもう盛大に吐き出した。
「まだ1ヶ月以上あるだろ」
「厭なカウントダウンしないでよ! ぅあー……こないだね、サイに歳の話したら『大丈夫、僕はどんなサクラでも好きだよ』って言われたの」
誕生日の話からいきなりノロケか。二十九歳乙女の思考回路についていけない。否、乙女オーラをバンバン出している彼女の思考回路に付いて行けたことは、正直下忍の頃から一度たりともありはしないのだが。
サクラが、呑んでいた日本酒を机上に置いた。
「それって! すっごい失礼じゃない?」
「ハアァ?」
思わず奏でたくもないハーモニーを奏でてしまったサスケとナルトは、疑問符を頭上に散りばめる。
どんな君でも好きだ。なんて、言われたら誰でも喜びそうなものじゃないか。
「意味がわからねえ……」
「うーん……」
「あのねー! どんな私でもいいなんて、そんなこと言われたらね、私は頑張るのが面倒になるの。綺麗な君が好き、って言われた方が嬉しいわ」
体質も手伝って乾燥気味の肌は、朝昼晩とどれだけ化粧水を叩き込んでも潤わない。特に目元! 口元! 頬! 寝不足は下瞼の隈さんとお友達になってしまうオプションのついた不摂生キーワード! シンデレラタイムにきっかり就寝、なんて、Sランク任務に就く身としては無理があるわけだ。それでもッ! 頑張ってることを評価して頂きたいとても! 任務から帰ったらどんなにドロドロ眠りたくても身綺麗にしてから床に着くようにしているし、たまの休みにはバッチリメイクにお洒落な洋服、マニキュアだって念入りに施す。例え翌日取ることになっても、だ。カモンキラキラ!
それを解ってなーい! と立腹するサクラの諸々は、残念ながらサスケもナルトも理解して差し上げられない……。どころか、遠い目でもってサクラの可哀想な恋人を思い出してしまう。
「あー、それでサイが『いまだにサクラは理解するのが難しいよ』ってぼやいてたんだ……」
「理不尽すぎるだろう」
男共に解って溜まるか! とっくりから手酌で注いだ日本酒を煽り、フン、と鼻息を荒げる。
ついでに言うなら、二十歳そこそこの女の子にだって、解、っ、て、た、ま、る、か、と思うサクラだ。
(え~春野先輩お肌綺麗じゃないですかぁ~)
アンタ達の肌が綺麗と私の肌が綺麗にはそれはもう残念なくらい差があるんだっつーの!
まだ、師匠のような(露骨な)アンチエイジングをする程ではないと思いたいけれど、実際お肌はボロッボロだ。朝起きて直ぐと帰宅して直ぐは鏡面を見るのが嫌になる。
でも、だからこそ。
「綺麗な私を見て欲しいじゃない……」
「サクラちゃん、酔ってるってばよ」
「珍しく、だな。……」
どんな私でも好きという言葉が嬉しくなかったわけじゃ、ない。サクラだって、どんなサイでも(好きかどうかは別にして)受け入れる。これは『と思う』でも『多分』でも、ましてや『かもしれない』なんてものでもない『絶対』だ。(それはもちろん、ナルトにもサスケにも同様に言えることでもあるのだけれど)だから、それがイコール自分に向けられることだってあると解っている。でも、不安にだって、なるのだ。
「厭気が差すわ」
三十路過ぎたら、今手に入らないものが手に入ったりするのだろうか。
その時、何をどの位喪って、私は立っているのだろうか。
(厭気が、差すわ)
「二十九と三十には恐ろしい隔たりがあるのよね……」
元七班スリーマンセルのうち一番最後に歳を食うサクラは、一足先に三十路におなり遊ばせたサスケとナルトを交互に見やり、溜めた息をそれはもう盛大に吐き出した。
「まだ1ヶ月以上あるだろ」
「厭なカウントダウンしないでよ! ぅあー……こないだね、サイに歳の話したら『大丈夫、僕はどんなサクラでも好きだよ』って言われたの」
誕生日の話からいきなりノロケか。二十九歳乙女の思考回路についていけない。否、乙女オーラをバンバン出している彼女の思考回路に付いて行けたことは、正直下忍の頃から一度たりともありはしないのだが。
サクラが、呑んでいた日本酒を机上に置いた。
「それって! すっごい失礼じゃない?」
「ハアァ?」
思わず奏でたくもないハーモニーを奏でてしまったサスケとナルトは、疑問符を頭上に散りばめる。
どんな君でも好きだ。なんて、言われたら誰でも喜びそうなものじゃないか。
「意味がわからねえ……」
「うーん……」
「あのねー! どんな私でもいいなんて、そんなこと言われたらね、私は頑張るのが面倒になるの。綺麗な君が好き、って言われた方が嬉しいわ」
体質も手伝って乾燥気味の肌は、朝昼晩とどれだけ化粧水を叩き込んでも潤わない。特に目元! 口元! 頬! 寝不足は下瞼の隈さんとお友達になってしまうオプションのついた不摂生キーワード! シンデレラタイムにきっかり就寝、なんて、Sランク任務に就く身としては無理があるわけだ。それでもッ! 頑張ってることを評価して頂きたいとても! 任務から帰ったらどんなにドロドロ眠りたくても身綺麗にしてから床に着くようにしているし、たまの休みにはバッチリメイクにお洒落な洋服、マニキュアだって念入りに施す。例え翌日取ることになっても、だ。カモンキラキラ!
それを解ってなーい! と立腹するサクラの諸々は、残念ながらサスケもナルトも理解して差し上げられない……。どころか、遠い目でもってサクラの可哀想な恋人を思い出してしまう。
「あー、それでサイが『いまだにサクラは理解するのが難しいよ』ってぼやいてたんだ……」
「理不尽すぎるだろう」
男共に解って溜まるか! とっくりから手酌で注いだ日本酒を煽り、フン、と鼻息を荒げる。
ついでに言うなら、二十歳そこそこの女の子にだって、解、っ、て、た、ま、る、か、と思うサクラだ。
(え~春野先輩お肌綺麗じゃないですかぁ~)
アンタ達の肌が綺麗と私の肌が綺麗にはそれはもう残念なくらい差があるんだっつーの!
まだ、師匠のような(露骨な)アンチエイジングをする程ではないと思いたいけれど、実際お肌はボロッボロだ。朝起きて直ぐと帰宅して直ぐは鏡面を見るのが嫌になる。
でも、だからこそ。
「綺麗な私を見て欲しいじゃない……」
「サクラちゃん、酔ってるってばよ」
「珍しく、だな。……」
どんな私でも好きという言葉が嬉しくなかったわけじゃ、ない。サクラだって、どんなサイでも(好きかどうかは別にして)受け入れる。これは『と思う』でも『多分』でも、ましてや『かもしれない』なんてものでもない『絶対』だ。(それはもちろん、ナルトにもサスケにも同様に言えることでもあるのだけれど)だから、それがイコール自分に向けられることだってあると解っている。でも、不安にだって、なるのだ。
「厭気が差すわ」
三十路過ぎたら、今手に入らないものが手に入ったりするのだろうか。
その時、何をどの位喪って、私は立っているのだろうか。
(厭気が、差すわ)
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