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漫画・小説・演劇・ドラマ、ジャンルも媒体も男も女も関係なく、腐った可愛そうな頭の人間が雑多に書き散らすネタ帳です。 ていうかあれだ。サイトに載せる前の繋ぎみたいな。

   
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忍者@【サスナル】阿呆みたいな阿呆の話
『テッメェ、ソケットにプラグ突っ込んでんじゃねえんだ! もう少しこっちの身にもなりやがれこの顔だけ男ォ!』

 セックスとは、うずまきナルトにとって痛みと疲労感と終わった後のなんともいえない居心地の悪さを伴う行為である。
 何故か。理由なんて『受け身は辛い』の一言に尽きる。
 遺伝子レベルならば、常染色体二十二対プラス性染色体XYの計二十三対四十六本を持つであろう彼は、そう『彼』は、生物学上紛れもなく男である。
 もう一度言おう。男である。
 つまり彼のいう『受け身』とは、なんのことはない。本来挿入すべきでないケツ穴に大人の小さい玩具だったり大きい玩具だったり一物だったりを突っ込む身、という意味である。
 そして、そんな彼の『彼氏』は、元スリーマンセル仲間、元里の裏切り者、極度のブラザーコンプレックスと無駄に毛の生えた心臓を持つ、顔オンリーがいい仕事している、うちはサスケその人である。また、こいつはナルトの現在の頭痛の種でもあった。

「……サクラちゃん、俺、女の子とセックスしたい……」

 草木も眠る丑三つ時、深夜に迷惑なことではあるが思わずもう一人の元スリーマンセルの紅一点、春野サクラにそんな電話をしてしまう程度には、参っていた。
 電話を受けたサクラは、盛大にため息を吐き出す。

『女相手に勃起出来るわけ?』
「サクラちゃん知らなかったかもしれないけど、俺、男だってばよ」
『ああ、そうだったわね。いっつもサスケ君に突っ込まれてばっかりで女の子とは浮いた噂もないもんだから、てっきり去勢でもしたのかと思ったわ』

 これは彼女の皮肉だろうか。
 最早公然であるナルトとサスケのその関係に、最初の頃こそ『男同士なんて気持ち悪い』→『いい加減にしなさいよ』→『そんなんで将来どうすんの、里の少子化が進むわよ!』と猛反対だった彼女も、今では諦観している。どんなにやいやい言ったところで、ではサクラがナルトやサスケとセックスして子供を作れるのか、というと、答えは、ノー、だからだ。サクラには、別に年中睦言を吐き乳繰りあうリア充ほど甘ったるい関係ではないが、サイというれっきとした恋人が居る。別れてからならいざ知らず、今の状態で他の男と子作りとかそれはちょっと拙い。他愛ない戯れのキスはすれど、其処までだ。

『喧嘩でもしたわけ?』
「……別に、してねえってば」
『じゃあなんでいきなり浮気願望? しかも、女』
「うーんサクラちゃん、俺、別に男が好きだからサスケと恋人してるワケじゃないんだけど……」
『たまたま好きになったのがサスケ君でした、は聞き飽きたわよ。私が訊いてるのは、その好きになったサスケ君ほかってなんで女に走る気になったのかってこと。勘違いしないでね? いいと思うわよ、健康的で。もう子供作って幸せに暮らす方向で必死になれば? 少子化ストップに貢献しなさい、未来の火影サマ』
「うぅ……」

 どうにも煮え切らないお返事に、そんじゃあアンタ、マジでただ女の子とセックスしたいだけなの? と訊いたサクラの耳に聞こえたのは、小さなイエス。
 ありえねー。

『風俗行け』
「うっ」
『顔は良いから女の子達も悦んで腰振ってくれるんじゃない?』
「ううぅ」
『例えアンタが、彼氏に腹立てて誰でも良いから女の子抱きたいってサイッテーな考えだって、風俗にお勤めあそばされてる皆様は、表面上は快く喘いで下さると思うわ。オシゴトだから』
「……女の子をセックスの為に選ぶって、最低だって解ってるってばよ、捌け口にするのだって、最悪だって」
『だから、別に私はそれがいけないなんて言ってないでしょ。男なんだから、一発抜きたい時もあるんだろうし? ただね、こんな! 夜中に! 女友達に! セックス云々の会話するためだけにわざわざ電話するんじゃないって、わ、た、し、が! 怒ってるの!』

 電話でセックスセックス言わない方が良いよ、とは、サクラの後ろから聞こえたサイの声で、出会った頃にはちんぽちんぽ五月蠅かった奴がよくもまあ成長したものだといっそ感心してしまう。

『ていうかあんた、私にそれを言ってどうするつもりだったの? 私、女の子の交友関係はアンタ以下よ』
「と……」
『と?』
「止めてもらおうと思って……」

 ブツッ。

※※※

「お前、サクラに電話したんだってな?」
「……」

 ブルータス、お前もか。否、むしろ、ブルータス、お前が、か!
 ナルトはぼんやりと、この顔だけ男に最後に犯されたのは何時のことだったろうかと思い出す。つい四日前か。

「浮気がしたいって?」
「寄るなってばよ……」
「満足してねえってことだな?」
「人の話聞け、唐変木!」

 うちはサスケがにじりよって来るのを、ナルトは睨み付けて威嚇する。
 このイカレトンチキはどうにも、他人の話を聞こうとしない。大蛇丸の下で修行中に、羞恥心と自制心をどこかに棄ててきてしまったようだ。

『一発ヤらせてくれるなら戻ってやってもいいぜ』

 戻って来い。そう懇願したナルトに突きつけられた最低野郎の言葉だった。螺旋丸を造って臨戦態勢をとっていたナルトの手から、一瞬渦が弱まった。
 幻聴だと思った。しかも大分ヤバい類の。

『昔から、好きだったんだ……』

 幻聴ではなかった。しかし、大分ヤバい類のものではあった。自分のアタマでなく、蛇、改め鷹(笑)のリーダー、うちはサスケのアタマが、だ。
 ……尤も、本当にヤバかったのは、その『一発ヤらせろ』をよしとしてしまった自身だろう。何故って、だって、ナルトはサスケが好きだった。今あのときの自分に会ったら、『止めておけ』否『止めてくれ、頼むから』と嘆願する。

「……もう、一発なんてとっくだろ!」
「だからなんだ」
「おーおー開き直りかこの野郎!」
「いつも喘いでるくせに何吼えてやがる」
「前立腺擦られりゃあそら喘ぎもするってばよ!」

 別に、サスケが厭な訳じゃない。どころか、サクラに「たまたま好きになったのがサスケ君だなんて耳が腐り落ちるほど聞いた」といわしめる程度には好きだ。特に、顔が。好きでなければ滑った口だってもっと良識ある言葉を返しただろう。例えば、『死ね!』とか『変態!』とか。
 少なくとも、わかった。なんて出なかった。
 一発ヤらせろ、から始まった関係が、爛れていないわけがない。ナルトの言葉にあっさりと帰郷しやがったサスケには次に裏切れば七班総討ち首、という首輪が着けられた。眉を顰めた一瞬を除けば、サスケの態度は飄々としたものだった。
 里は、サスケを赦さない。けれど、サスケには首輪が着いた。まだナルトを疎む者が居ないわけではないが、それでも英雄であり蛮勇の九尾を信頼するものは、多かった。
 そんなわけで、サスケは晴れて飼い主つきで娑婆に出られた。
 そしてそれはイコール二人の関係の始まりでもあった。
 まあ、シリアスに討ち首だなんだとはいえ、頭の湧いた厨二病に果たして通じるわけもなく、要はもう大人しく飼われれば良いのだろう、と居丈高であったサスケは、それはもう意気揚々とナルトの元へ監視されに向かった。男のド頭が残念過ぎてオーバーヒートしかけたのは、ルーキー仲間だけではない筈だった。
 話は逸れたが、では、何故ナルトが厭々しているのか、というと、それこそ話は簡単。

「ナルト……」
「……ッ、テッメェ、ソケットにプラグ突っ込んでんじゃねえんだ! もう少しこっちの身にもなりやがれこの顔だけ男ォ!」

 うちはサスケは、ヘタだった。
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